「もうそれはないと思う」

 凛は俺を離し、ゆっくりと立ち上がった。
 両手を後ろにやって、立ったまま俺を見つめ始める。

「ないの?」と俺は座ったまま尋ねる。

「うん」

「どう言う事?」

「今に分かるよ。さぁ戻って!」

 凛は俺の腕をつかみ立ち上がらせた。

「え?」

 突然、俺は後ろから誰かに強く引っ張られるような衝撃を味わった。


 そして…