ファンタジーみたいな場所で俺はいつの間にか、白いベンチに座って凛に抱き寄せられ抱擁されていた。
 金色の柔らかい光が俺と凛を包み込むようにして漂っている。

 まるで、光の温泉の中に入っているような雰囲気だ。
 
「願望も良いトコだよ。黒沢さんは単に心が操られているだけで、本心では何とも思っていないんだから」

「俺は死んでいるのかな?」

「死んでなんかいないよ。逆にピンピンしてる。魔毒エネルギーのウィルスも完全に消滅しているし何も心配ないから」

「何も心配ないからって言うけどアイツが俺の事を気付いたら又、妙な魔法を使って来るんじゃないの?」