今は相手にしない方がイイって言うのが久保の考えだ。
 何とも言えない虚しさに俺の心は張り裂けそうだ。
 思わずガシガシと手で頭を掻いてしまう。

「真由! いったいどうしてしまったんだーッ!? なーんで俺にだけ無視なんだよー!? クッソー分かんねー!」と、心に溜まっていたモヤモヤを一気に吐いてしまうような思いで愚痴をこぼす。

 取り乱すような言動だから他の女子ならビビッて引いてしまうと思うけど、気の強い久保は落ち着いた様子で俺の背中をポンポンと軽く叩いて来る。

「天崎?」

「あーん? 何だよ?」と俺は目を細めて久保の方にチラ見した。

「先ずは落ち着いて落ち着いて」

 気が動転している俺を久保はなだめてくれる。