俺の傍を通ったけど、コッチには振り向かないままヤツの所へ行ってしまった。
 堀田の身体に体当たりするような感じで接した真由。

 堀田に抱きつかれても穏やかな態度でいる。
 何の抵抗もなく自然な振る舞いで接しているから、殆ど恋人状態だ。

 ちょっと試しに俺は真由に声をかけた。

「まゆー! 俺だよぉー! 天崎だよぉー!」

「天崎?」と俺に振り返った真由。

「そう! 俺だよ俺! 天崎だよ!」

 真由はジーッと俺の顔を見つめた。
 俺に気づいてくれた?
 期待出来そうだ。

 だけど…