「今更、そーんな質問? 分かっているクセにぃー」

 女の人がニヤッとして堀田の背中をパチーンと叩く。

「ハハ、もちろんだけど」

 堀田はわざとらしく照れ笑いだ。

「ハリスって、そんなに有名なのかな?」

 真由の物静かな口調は変わっていないようだ。

 男の人が喋る。

「有名だぜー。ハーフのイケメンで成績優秀、運動神経抜群。サイコーな笑顔で人懐っこい。堀田の事、知らねーヤツなんて1人もいねーっと思うから」

「そうかもしれないけど、ハリスって普通の学生だよー?」

 真由がこう言うと、女の人が言う。