「でも…」

 困ったような表情の彼女。

「財布見つからなさそうだし、こんな場所でモタモタされちゃあ困るんだよなー。だから俺が払っとく」

「でもイイよ」

「イイじゃねーだろう? 後ろ、使えてるし早く清算すませねーと」

「…」

 彼女は後ろの方を列を見て余計に戸惑っている。

「とにかく!」と言って俺は半ば強引に代金を払って上げた。

「…」

 戸惑う彼女を横目に俺は自分の分も含めて支払いをサッサと済ませてしまう。