お姉ちゃんが言うには、その男子はウチにも来た事があるらしい。
 それに私に値段の高い洋服とか買ってもらったりしたとか。 

 そう言えば部屋の壁のハンガー掛けにハートリボン刺繍ブラウス、裾メルヘン柄ペチミニのステキなお洋服が掛かっている。

 こんな洋服、私持っていたっけ?

 …そう感じちゃうけど、男子に買ってもらったお洋服らしい。
 とにかく、私は覚えていないのだ。

「親しいんだ私?」

 ため息つくお姉ちゃん。

「覚えていないのかな?」

「…そう言われても」と思わずムッとなった私。

「じゃあ翔平くんの方は?」

「天崎翔平だよね? 私の隣に座ってる男子」