「どうしたの?」

「うるせー! お前が本物の真由でない事ぐらい、俺は分かってんだよ! それに今、電話した相手からも正体知られてるじゃねーか!?」

「…」

「本物の真由は! まーだ病院にいるんだぞ!」

 今のセリフを反応したのか、ニセモノは表情を固くした。
 正体がバレて気まずくなったか?
 意外な事に優しい表情を見せやがった。

「そんな事よりも翔平、私と一緒に行こうよ」

「どこへ!?」

「とても美しくて楽しい所へだよ」