(フィアンセだと? ニセモノのお前に恋人呼ばれする筋合いはないぞ。第一、真由がそんな事を言うワケがないだろう?)と俺は心の中で思うのだった。

 俺はタイミングを見て素早くダッシュした。
 逃げるしかないのだ。

 夜道を駆け出す俺。
 女に追いかけられるなんて男とし情けないのがフツーだけど、相手は得体の知れない存在だ。
 何をされるのか分からないから怖い。

 しばらく走って着いた所は神社だ。
 誰もおらず、シーンと静まり返っている。

 ここまで来れば安心だろう。