「まあどうしたの? ため息なんか付いちゃって、それに汗かいているし」

「ああ、まあ色々とあって」

 学校での出来事を説明しようと思ったけれど面倒臭いから言わない。
 ココから母さんと信じられない事で、やり取りする。

「アンタ、今日はお見舞いには行かないの?」

「え? 誰の」

「誰のって、真由ちゃんに決まっているじゃなーい」

 …え?

 真由の…?

「黒沢真由の?」

「そう決まっているだろう? 行かないの?」

「…きょ、今日は…行かない」

「なーんで行かないの? まだ意識は回復していないのに」