「しょうへーい〜、帰るよぉ〜」

「悪い!」

 俺と一緒に帰ろうとする真由を無視して逃げるように、サッサと教室を出て行くだけだ。
 俺カノから逃げるなんて妙な気持ちだけど、事態がフツーじゃないんだから仕方がない。

 久保からLINEが来た。
 真由がいないかどうか周りの様子を伺いながら俺は校舎の片隅に身を隠すとスマホを開いた。

 由香里  天崎、先に帰っているのかな?

 すかさず俺は返信する。

 翔平   急用が出来たから急いで帰らなくちゃならないんだ。

 すぐにメッセージが来た。

 由香里  あーそれで、バタバタと教室を出たんだね?