もちろんウソだけど、ココは浦本に話しを合わせるだけだ。

「そうそう! 今日、ウチのオフクロが浦本の母親と用事で出かけるんだよねーって話しをしていただけなんだよ!」

「なーんだ、そっかー」

 期待外れだったなーって言う残念顔で真由は教室に戻って行く。
 真由の顔を見た浦本の表情が穏やかではない。

「なーんか真由…って」

「違和感…ありだよね?」

「俺も気になる」

 目の前にいる真由は笑顔なんだけど、どことなく表情が暗い。
 真由が持つ独特の輝きがないって言うか、底抜けの明るさがないのだ。

 真由であって真由でないような気が…

 そんな思いになってしまう。