「天崎!」と浦本が声をかけて来た。

 何も言わず人差し指で手招きしている。

「ちょ! ちょっとゴメンね!」

 俺は席を外し浦本と廊下に出た。
 2人でコソコソと話しを始める。

「天崎、真由のお姉さんから連絡有った?」

「いや、なかったけど…、浦本の方には?」

「なかったよ全然」

「どうなっているんだ? 奈緒さんにLINEしてみようかな?」

「しても無理だよ」

「どうして」

「連絡が付かないから。LINEもメールもダメだし、電話しても通じない」

 いくら連絡してもダメだろう。
 奈緒さんは自宅で倒れたままなのだから。