「あのコが意識戻ったら、翔平くんにLINEで知らせるねー」と奈緒さんが言ってくれたけど、連絡なんて全くなかった。

「真由に声をかけなさいよ」と新島さんは俺の背中を押す。

 驚いた事に真由は俺の隣の席に戻っていた。

 声をかけなさいよと言われても俺は心の準備が出来ていないから、ちょっと知らぬ顔をするフリして自分の席に着いた。
 カバンを置いた俺。

「あ、翔平!」

 真由の方から声をかけて来たじゃないか!

「あ…、真由…」

 俺はワザと視線をそらしたまま返事する。

「おはよー翔平ー!」