「禁断の魔法なんだ?」

「相手の言動を我が意のままに操る事が出来る法術だからねー。その気になれば国の重要な人々を動かして戦争を起こさす事さえ出来る」

「そんな危険な魔法を、どうして堀田に伝授したの?」

 一緒に出されたおつまみのバターピーを手でつまんで口にした上条さん。

「魔法使いとしては優秀な弟子だから、何のためらいもなく伝授したまで」

「何のためらいもなく? まさか、オジサンの気まぐれで?」

「オイオイ、そんな言い方はないだろう?」

 浦本の言葉に上条さんはカチンと来たようだけど、別に怒ったりはしない。
 すごく温和な人らしいから。