「一千万ぐらいって言う話しだけどねー

「ウワッ! 高ッ!」

「そんな金が有れば、ウチの家のリフォームが出来る!」

「無いじゃーん! 宝くじでも買って当てないと!」

 どうしたイイんだと俺たちが嘆いていたところ、真由がギュッと手を握って来た。

「え?」と、俺は真由の方に目をやる。

 真由はもちろん、目は閉じたままだ。
 今にも起き上がって話しをしそうな表情をしている。
 ふと俺の耳に声がささやいて来る感覚を覚えた。



 しょうへい…



 しょうへい…



 しょうへい…