真由は目を閉じたままだ。

 身体自体は異常はないけれど、まだ意識が戻らないと奈緒さんから教えてくれている。

「ボーッと突っ立っていないで声をかけなよ」と久保が促す。

「え? え? ええっと…!」

 とにかく俺は緊張しっぱなしだ。

「ホラホラ、かけてかけて」

 新島さんが俺の背中を推す。

「ええっと…」

 緊張感が止まらねーよ!

「あーもう、じれったいなー! サッサとやれー!」とイラッとした久保が俺の背中をバチンと叩いた。