残ったのは俺たちだ。

「まゆー、私たちだよー。お見舞いに来たよー」

 久保の声が聞こえて来た。

「天崎くんも来ているし」

 新島さんの声だ。

「おーい、てんざきぃー」と浦本がコッチに来るよう手招きした。

「え! え! えーっと!」

 緊張感が更に高まる。

 日比野嬢がやって来て後ろから俺の背中を押した。

「入って入って!」

「…!」

 怖い担任の先生に叱られに行くようなハラハラとした気持ちのまま重い足取りで部屋に入り、ベッドの方へ歩み寄って行く。