「でも何だか…」

 俺が言いたい事を凛はズバリと当てる。

「怖い? そうでしょう?」

「こ! 怖くねーよ!」と俺はつい、誤魔化してしまった。

 こんな誤魔化しなんて凛には通じない。

「私に誤魔化しは通じないよぉー」

 ほーら!

「…」

 俺の気持ちを見透かされたみたいで返す言葉が出ない。

「大変だと思うけどねー。でもココは一歩前進だよ一歩、前進ぜんしーん!」

 凛は両手でガッツポーズを取り、ニヤリと微笑んだ。