「天崎くんとは入学早々から出会ったのよね?」

「あの男とは何の関係もないけど!」

「え?」

「話しなんてした事もないし! みーんな私が、あの男と親しいって言うんだよねー!」

「事実でしょう?」

「事実じゃない!」

 思わず声を荒げてしまった。
 目をカッと見開いて凍り付くお姉ちゃん。
 立ち上がり、こう言って部屋を出た。

「アンタ、自分を見失っていない?」

 自分を?

 見失っていないかって?

 なーにそれ?