その日は食事の用意はしていなかったので、コンビニで弁当を買ってきて、居間で一緒に食べた。

 夏瑛は胸がいっぱいで食欲がなかったが、何とかお腹に詰め込んだ。

 靭也が「やるよ」と言って卵焼きを夏瑛のごはんの上に乗せた。

 あくまでも子ども扱いだ。

 嫌になる。

 昨晩も明け方まで制作していたという靭也は、1、2時間仮眠するからあとで起こしにきて、と言ってアトリエへ戻っていった。

 その間、夏瑛はテレビを見て時間をつぶした。

 テレビの中でお笑いタレントが必死でしゃべっている。

 だが、うわの空の夏瑛の耳には何一つ入ってこなかった。