「おい!
具合でも悪いのかよ」

聞き覚えのある声に
私は顔を上げた

私の前に車をとめて
大河原さんが声をかけてくれた

「いえ、乗りますね」

「早く、乗れ」

「はいはい」

私は助手席に乗り込んだ

車から降りて声をかけてくれた
大河原さんは

運転席に乗った

「今日は
俺に付き合え」

「そのつもりで
メールしたんですよね?」

「いちいち
突っ込むな」

大河原さんは
学校の近くにあるカフェの
駐車場に車を停めた

すぐに店内に入ると
店の入り口に一番近い席に座った

「なんですか?」

「いいから」

「はい?」

私は大河原さんに
進められるがまま
椅子に座った

私はドアを背に
座った

店内はがらりと空いていた

ウエイターにコーヒーと
アイスティーを頼むと

大河原さんは
私の顔を見た

「笑え」

「は?」

「いいから
楽しそうに笑え」

「意味、わからないんですけど」

「手を出せ」

何んで?

私は意味がわからないまま
手を出す

するとすぐに
大河原さんに手を握られた

「え?」