30秒くらい過ぎたのだろうか

スミレが口を開く

「電池が終わっちゃったって
さっき充電が終わったの」

「ふぅん」

「信じてない?」

「うん」

「ごめん
学校の友達と会っちゃって
瑛ちゃんとの仲を知られたくないから

その子と帰ったの
途中でその子とお茶したりしたから
帰りが遅くて
瑛ちゃんに言うのが…

心配した?」

「ああ
心配した」

「本当に?」

「ああ
何度も携帯に電話してた」

「嬉しいな」

「俺は嬉しくない」

「でも私は嬉しかった

もうこんな風に
瑛ちゃんと話せるとは
思ってなかったから」

「そうだな」

俺も
桜さんの帰ってこないのを
いいことに

スミレに電話をするとは
思ってなかった

やっぱり
スミレが好きだ

そう感じた

「生理は平気か?」

「瑛ちゃんが薬をくれたから
もう平気だよ」

「なら良かった」

「やっぱり
瑛ちゃんにお弁当
持っていくよ

瑛ちゃんの体が
心配だよ」

「ありがとう

でも本当に
平気だから」