味方も敵ももう分からなくなった私の人生を、今日私が終わらせる。
この学校の屋上はフェンスではなく低めの柵で囲まれていた。
誰であろうと簡単に柵の外に出ることができる。
柵の外から呑気なこの街を見下ろすのが好きだった私は、手馴れたように柵の外へ出た。
決意を固めたにも関わらず足はすくむ。
心を落ち着かせようと深く、深く息を吸い込み、吐き出す。
呑気そうなこの街に1人、忙しそうに走る男の人が見えた。
彼は転んだ。
その瞬間、私は飛べるような気がした。
ゆっくりと、今までのことを思い出すように片足を宙に浮かせた。
ゆっくりと、ゆっくりと。
その足はやがて空気を踏んだ。
片足立ちで不安定な状態な私は、重心を前に傾けた。
そのまま私は、真っ逆さまに落ちた。