事件から一週間後、美竜の仮免許の試験が行われた。

事件を解決した後、美竜は全く変わることなく問題児のまま今日を迎えた。旬をはじめ、教官たちは苦い顔のまま試験を始める。

まずは運転だ。美竜のめちゃくちゃな運転を覚悟していた旬は、神様に今日が命日じゃありませんようにと祈る。そしていつでもブレーキを踏めるように準備した。

「はい、じゃあ出発して」

旬がそう言うと、「はい」と美竜は返事をしてゆっくりと車を出した。そして他の生徒よりも何倍も上手に運転を終えたのだ。これには、旬たちは驚いてしまった。

さらに筆記試験では、美竜だけが満点を取ったのだ。そこそこ難しい五十問の問題を、美竜はあっという間に解き終えた。

「カンニングは……」

「いやいや、してない!ちゃんと見てた!」

旬は監督だった麗樹に訊ねる。麗樹も驚いていた。

自動車学校一の問題児は、最も優秀な成績で無事に仮免許を取得したのだ。驚いて旬は訊ねる。