「坂山さんがそんな笑うの初めて見ました」

お酒を持って来てくれた若い女性が
驚いたようにそんな事を言ってきた。


「そうか?俺結構笑うよな?」

「え?あ、うん・・?」

私の方に顔を向け
そう問いかけられると

まだ、出会って一週間も経ってない関係だけど

何か、彼女気分というか・・・

勘違いしそうになる自分を必死で抑えた。


3時間ほど経った時


「そろそろ帰るか
家にビールあったっけ?」

「1本あったような気がするけど」

「ならいいや。会計してくるから待ってて」

「うん」


その言葉を聞いていたさっきの女性店員が

「前の彼女さんじゃないですよね?」

不思議そうに私を見ている。

「あ、彼女じゃないです・・」

自分で言ったのに、なぜかショックを受けてしまうのはなぜだろう。

「そうなんですか?すいません・・・」

店員さんに気遣わせて私は何してんだ。

あの店員さんは前の彼女様を知ってるんだ・・・

私も知ってるけどね・・・なんて。