もう一軒行ってみようと
違う物件を見せてもらったものの・・

やはり、金額的に厳しい物件ばかりだ。

不動産屋を出て
歩きながら
家賃、光熱費払って
食費も・・
あぁ、ヤバイかもしんない。

貯金いくらあったっけ。

そんな事を考えながら
家に帰ると

最初に玄関には見慣れない女性の靴。

そして

「ひろー、ここにお皿入れてもいいのー?」

「入りそうならいいよ」

その次に、賑やかな声・・・

そして・・・

「おっ、ちひろ
いい物件あったか?」

うれしそうな兄の顔が飛び込んできたと同時に

「あ、うん!あったよ。」

思わず、そんな言葉が出てしまっていた。

「すぐ入れそうだって?」

「う、うん!大丈夫みたい。
だから、今日出て行けそうかも」

「そっかー、玲香~!」

「はいはい?あ!妹ちゃん?」

初めて見る彼女の玲香さんは
私とは正反対で
少しだけ派手系だけど綺麗な人だ。

「初めまして」

そう言いながら頭を下げると

「何か、ごめんね。
部屋見つかった??」

「はい、大丈夫です」

「そっか、良かった」

そう言いながらニコニコしている。