「あと、10分くらいで着くから
もうちょいガマンしろな。ははは」

そう言いながら
私の頭を軽く2回叩き
笑顔を向けているわけで・・・

そんな・・・顔を見せられたら

もう顔見れないとか
男に免疫とかいう問題じゃなく

・・・落ちた。

落ちた。落ちすぎた。落ち続けている。

ドキドキが走りまくっている。

猛ダッシュで駆け回っている。

ぐぅー、キュルルル・・

「もうちょい待っとけよー」

含み笑いを浮かべながら
鳴り続ける私のお腹に向かって
そう叫んでいるこの男に

落ちてしまった私は・・・
これからどう接していけば・・・

ヤバイ、ヤバイ
非常にヤバイ。

頭の中ではパニックなのに

ぐー・・・・・

お腹は鳴りやまない。

そんな中、目的地に到着し
車を降り店の中へ入ると

「あら、祐ちゃん」

ほぼ満席の店内から
年配のおばあちゃんが
うれしそうに走ってきた。