「じゃ、俺は寝る。
あ、ちなみに朝と昼はめしいらないから。
夜だけ作ってくんない?
つーか、そもそも作れる?」

あくびをしながら
少しバカにしたように聞いてくる。

「普通の料理で良ければ作れますが
好き嫌いとか・・」

「好き嫌いない。食えればいいから。
ほら、一か月分の食費。
足りなくなったら言って」

と無造作に机の上にお金を置くと
左側のドアの中へと入って行ってしまった。

机の上に置かれたお金を見ると
10万・・・・え?夜ご飯作るのだけで10万の食費?

金銭感覚がまったく違いすぎて・・・

そもそも、さっき知り合ったばかりで
しょっぱなから
水ぶっかけられた記憶が鮮明すぎるほど残ってるんだけど。

そんな人間に住んでいいとか
何か、やっぱり変なのはスーツ男の方なわけで・・・

そんなスーツ男との生活が
幕を開けた瞬間であった。