「あ、じゃ・・・失礼します」

気まずい空気を察したのか
そう言うと逃げるように去ってしまった・・


「祐二、何か大人げない・・・」

「そうか?大人な対応だろ」

大人な対応って言えばそうだけど・・・


「たまには手繋ぐか」

「へ?」

変な声が出てしまった私の手を掴むと

な、なんだ・・・この幸せなカップルは・・


祐二と手繋いで歩くとか夢じゃないんだろうか。


驚く私に


「あいつ、絶対ちひろに気があるから
気を付けろよ」

「あいつって、待木さん?ないない!」

思わず笑いがでてしまった。


「思い出しただけでイライラするわ」

「祐二って・・意外に嫉妬深いんだ?」

「ニヤニヤすんな・・・」

可愛いんだけど。

「祐二にしか興味ないしー」

握られた手が、そんな嫉妬してくれる祐二が

うれしすぎて、ニヤニヤがとまらないのは

当然である。

「ね、ちょっとお散歩しよ」

「元気すぎだろ・・・」

呆れる祐二の手を引っ張り、そのまま
夜の街を散策しつつ

幸せな忘年会は幕を閉じた。