何だかんだで、3時間ほどそんな会話をしつつ
解散となったけど・・・


帰り道、何となく気恥ずかしいというか

気まずいというか・・・


会話がないまま家路につき、いつものように

ソファーに座りビールを飲んでいる。


その隣に私も座るけど

いつもどんな会話してたのか思い出せずにいる。


「何だ?ご機嫌ななめか?」

会話のない状態をおかしく思ったのか
そう言いながら私の顔を覗き込んでいる。

「だから・・私、機嫌悪い事ないってば・・」

気恥ずかしくて顔が直視できないけど・・・


「ふぅん?何か、ちひろって純情だよな」

「そう・・・かな・・・」


純情も何も、そりゃ、中学校の時に1回彼氏ができただけで(2ヶ月で振られたけど)

キスすら経験ないんだから当たり前だと思うんだけど。


「歴代の彼氏何人?」

そうきたか・・・

「1人・・・・」

嘘ついても経験豊富なイケメンスーツ男には
見透かされるだろう。

「へぇ・・1人か。
そいつに会ったら腹立つかもなー
考えただけで少しイラつくけど
とりあえず、仕事行ってくるわ」


もうそんな時間なんだ。

ほんとあっという間だ・・・

スーツに着替えた祐二を追いかけるように

玄関のとこまで見送りに行くと

「ちひろ、抱き締めていい?」

「え?あ、うん・・・」

ふわっと香る香水の匂いに包まれ

優しく抱き締めてくれているわけで・・・

「よし、充電できた。行ってくるなー」

「いってらっしゃい・・」

私も充電できた・・・過充電で顔が熱くてたまらないけど・・・


うわぁ・・ぎゅーってしてくれた。

廊下に座り込み一人でキャーキャー騒いでしまっている。

「何してんだ?」

忘れ物取りに帰ってきた祐二に見られてるけど。

とっさに立ち上がり

「いや・・つい・・・」

恥ずかしいどころの騒ぎじゃない・・・

「どんだけ俺の事好きなんだよ(笑)
行ってくるわ」

「・・・いってらっしゃい」

この変態っぷりを一体何回見られてるのだろう。