「あんた、よく元彼女の生活の痕跡が残ったまま一緒に暮らせるよね。プライドないの?」


鼻で笑ったようにそう言われるけど

最初は利害関係から始まった生活だったから。

なんて素直に言う筋合いもないし・・・


とりあえず、笑って誤魔化すしかない。


「バカにしてんの?」


何しても怒り増量キャンペーン中らしい。


「そういうわけじゃ・・・」


シューズボックスの靴を全部出し

大きな袋に詰めると


今度はリビングの方へ行き

私が使っている部屋へ入ると

クローゼットの中を投げるように出していく。


そう、投げられているのは私の服だけど・・・


「あったあった。」


私の服をすべて投げ、奥の方から漁り出したのは


ニット帽1つだ。


嫌がらせにしか思えないのは

私の性格が悪いのだろうか・・・