忍び足で玄関へ向かい
扉の小さな覗き穴を見てみるけれど

焦点からずれた位置にいるのか
姿が見えず・・・

ここまで徹底するだろうか。

少し、違和感を感じ

覗き穴から外を見続けてみる事にした。


その間も、インターフォンは定期的に鳴り続けている。


・・・ようやく姿が見えたけど


私の名推理はあっけなく崩れ


玄関の向こうにいるのは


祐二の元カノ様だ。


イライラした様子で玄関の前で何かをぶつぶつと言っていて、開けたらいけないと直感的に思う。


目の前にいると思うと、もう移動さえできず

息を飲むように、ひたすら元カノ様がいなくなるのをここで待つしかない。


インターフォンが何回も何回も鳴り続ける事数分

ようやく静かになり

覗き穴から外を見てみると

元カノ様の姿はなくなっていた。