来ないでよ、こっちに来るんじゃないわよ・・

そう願うように、軽く会釈だけで済まそうとしているのに

空気なんて読めるはずもない玲香さんが

やはり、近づいてくるわけで

それにつられてなのか、お兄ちゃんまでもがこっちに近づいてきている。


「ちひろの知り合いか?」

「あ、うん・・知り合いというかお兄ちゃん」


そう答えた瞬間には
当然ながら2人の姿はここにあり


「妹ちゃんって彼氏いたんだ!?」


玲香さん、余計な事を

そんな驚いたように言わなくても・・・

さすが、空気読めない人だ。


「あれ・・坂山さん!?」

お兄ちゃんは、祐二に驚いてるし・・・

何なんだこの空気。

っていうか、なぜに知り合いなんだろう・・

不思議に思いながら祐二の方を見ると

何やら考え込んでいる。