「え・・・?え?」

頭から雫垂れてるし
そもそも全身ずぶ濡れだし
置いてた荷物も水浸しだし・・

「目覚めたか、バカ女」

「あ・・・はい・・・」

というか、このスーツ男誰?
ホスト?
私、もしかしてこの人に何かした?

「あの・・・・私」

言葉が出てこない。

「おい、会計」

そう言いながら
スーツ男から伝票を渡され

「あ、はい・・すいません」

渡された伝票を受け取るものの

視力が悪いのもあり
伝票の文字がよく見えない私は
伝票と共に1万円札を差し出した。

そう、それがいけなかった。

いくら動転してるとは言え
伝票くらい、きちんと見るべきだったのだ。