「そうだったんだ・・・・」


何か、安心したというか・・・

あの不動産情報の束って

別に自分が引っ越すとかじゃなくて

ただの仕事だったんだ。

なんだ・・・あー・・・



・・・良かったぁ。


「そんな意外だったか?」

「そりゃ・・居酒屋での水ぶっかけからの印象だから」

「そもそも、何で居酒屋なのに
スーツ着るんだよ。明らかに浮くだろ」


そう言われたらそうだけど・・・


「そんなの知らないし・・」

クッションに顔を埋める私に


「たまには、焼きそば食べてぇなぁ」


「は・・・?」

相変わらず、話が飛びますこと・・・

っていうか、この前お好み焼きしたけど
焼きそばは別物なんだろうか。

「よし、今日は焼きそばしようぜ。
ホットプレート出して
酒飲みながら焼きそばとかうまいだろ」


「そりゃ、美味しいだろうけど・・」


「そうと決まったら出掛けるぞ」


「え?あ、ちょっ待ってってば」


思い立ったらすぐ行動なんだから・・・

でも、何だか

知らない事が少しずつ減っていくのが

すごくうれしくて、今はもうこの立ち位置でも
十分幸せな気がする。