「ねー、お母さん。」

私が呼びかけると、お母さんは振り向いて私に笑顔を向けた。

「あらサユ、晩御飯もうすぐだからちょっと待ってね。」

「いや、そうじゃないんだよね。…これ…」

そう言って先程の証書をお母さんの前に差し出した私。
すると、お母さんの顔から笑顔が消えた。
どうしたのだろう？と少し気になったが、私は続けた。

「なんかさ、DVD観ようとしたら見つけたんだけど…これ、うちの家族のじゃないよね？名前が全然知らない人で……」

言いかけた時、お母さんは私から証書をバッと取り上げた。その時のお母さんは今までに見たことのない真っ青な顔だった。

「…お母さん…？」

何が何だかわからず戸惑う私。
数秒後、お母さんは我に帰ると再び私に微笑んだ。