そう思ったので、殿下の肩にガブっと噛み付いた。



「…………」

「い、痛いでしょ⁉︎」

「かじるのが趣味なのか?俺の妃は」

「えっ?」



見せられたのは傷跡の残る指。



あっ、それは不可抗力というか、仕方なかったというか‼︎



「ち、違いますっ‼︎殿下にわかってもらいたかった…の…です…」

「その程度なら痛くないのだな。わかった」

「やっ…」


カプッと肩を噛まれ、背中がゾワッとした。



なに、このゾクゾク…。



「殿下っ、ヤダぁ…ふぁっ…」

「跡は着けない程度に噛めばいいのだろう?」

「やめてくださいっ‼︎」

「…………ヤダ」



長い間噛みつかれていた気がする。



肩に、首に、耳に。



体がおかしくなる。



こんな感覚、知らない…。



「ははっ、ヘロヘロ」

「も、やめて…」

「気持ちよさそうな顔…。さて、そろそろ出るか」



そのまま抱っこされて脱衣所に来たけど…。



足に力も入らないし、体を隠す余裕もない。