お風呂用のイスに座らされて、ゴシゴシと洗われる頭。



私はひたすら前屈みになって体を隠す。



顔が見えないけど、絶対笑ってるんだ‼︎



「力加減はどうだ?」

「つ、強いですっ‼︎笑ってますよね⁉︎」

「笑ってなどいないぞ」



声が笑ってるもの‼︎



恥ずかしいから早く終わって‼︎



シャワーで流してもらい、やっと終わった悪魔の時間…。



「入り直すか」

「わっ‼︎」



また持ち上げられて、そのまま湯船の中。



密着、恥ずかしいっ‼︎



「お前、やっぱり白いな」

「そうですね…」

「この細い首…噛みつきたい」

「や、やめてもらってもいいですか…?」

「なぜだ?」

「絶対痛いので」

「痛みも慣れれば快楽になるらしい。試してみるか」

「試しませんっ‼︎」

「なら、どこなら噛み付いていいのだ」

「えっ、それって選ばなきゃダメなんですか…?」

「無論だ」



どこもヤダ。



絶対痛い。



殿下のバカ。



私が噛み付いて、痛みをわかればいいんじゃないかしら?