連れてきてもらったのは、古本屋さんだった。



新しい本は下町では高くて売れないそうなのだ。



「よろしいですか…?」

「古くても本には変わりないわ」



選んだ本は3冊ほど。



時間がたっぷりあり、することがないので本が欲しかったのだ。



「アリス様、アリス様‼︎」

「どうしたの?ヒナ」

「この本はどうでしょう‼︎『男をシモベにする80のテクニック』‼︎」

「…………私の身を案じてくれていることは伝わったわ。でも、いらない…」

「ならこれは?『男の上に立つ方法』だそうです‼︎」

「ヒナ…、泣けてくるわね…。ごめんなさいね、不甲斐ない私で…」

「ダメですかぁ…」



ヒナだけよ、そんなに私を心配してくれるの…。



ジェードさんに買った本を持ってもらい、小物を見た。



可愛いのがたくさん‼︎



「ヒナ‼︎この小さな箱、とても可愛いわ‼︎」

「なにを入れるのですかね?」

「なにかしらねぇ。大事な物?」

「んー、ヒナの大事なものはここには入りきらないなぁ」

「あっ、こっちのガラス細工もかわいい‼︎」

「そんなアリス様がかわいいです…」



な、なにを言うの、ヒナ。