下町は、前と何も変わっていなかった。



「頼むぞ」

「お預かりいたします」



馬を預かってもらい、今からは歩き。



興味津々のアリスは、とても楽しそうにヒナと笑っている。



「生き生きしてますね、アリス様」

「そうだな」

「優しくしたくなりました?」

「全く。城に帰ったらいじめまくる」

「そうですか…」



さて、どこに行こうか。



そろそろ昼時だ。



「アリス、腹は減ったか?」

「減りました‼︎」

「馴染みの店があるのだ」

「何が食べられるのですか?」

「お前が食べたことのないようなもの」

「それ、私が食べられるものですか…?」



とりあえず、行けばいい。



久しぶりの下町を歩くと、活気が溢れていて、なにやら他国からの輸入品も多く見られる。



うまくいってるのだな、国同士が。



「あれ?グレンじゃないか?」

「久しぶりだ、ピーター」

「なんだよ、顔も出さねぇで‼︎王都の警備隊はそんなに忙しいのか?」

「ははっ、まぁね」



知り合いにも声をかけられる。