俺とジェード、アリスとヒナの4人で行くことになり、アリスは本屋に行きたいと張り切っている。



「ドレスでは目立つ。ヒナに服を調達してもらおう」

「た、楽しみっ‼︎」

「ははっ、珍しく笑うのだな」

「だって、久しぶりの街です‼︎」

「下町だけど、いいのか?」

「下町、憧れだったのです‼︎」



こんなに楽しそうなアリスを初めて見た。



こういうのも…悪くないものだな…。



「王都だとアリスの知り合いにも会ってしまいそうだし、俺は王都と下町で警備隊にいたことがあって、顔見知りも多い」

「えっ?そうなのですか⁉︎」

「まぁ、正体を隠しての偽名だったがな。さすがに今更『皇子でした』と名乗るわけにもいかない。明日は俺を『グレン』と呼べ」

「グレン…様?」

「敬称はいらない。グレンでいい」

「はい、グレン‼︎」



本当に嬉しそうにしている。



「口裏あわせに付き合ってもらうぞ」

「はいっ‼︎喜んで‼︎」



こうして、アリスも一緒に休日を過ごすことになった。