苦笑いの父上に、まだ仕事が残っていると言って執務室に入った。



まぁ、本当のことだけど…。



「ジェード、羞恥に耐えきれずに逃げ出したくなったことはあるか…?」

「ありますね。王立学校時代に寮に入り、風呂でパンツを隠された時ですね」

「そんなのかわいいものだな…」



逃げ出したい…。



バカ宰相め…。



「ちょっと、逃げ出してくる」

「えっ…、まさか殿下…」

「服をくれ。あと馬」

「抜け出す気ですね…。絶対ダメです。お忍びで行くなら、私もお供しますから、正式に許可を取りましょう」



久しぶりに外へ出たくなった。



俺も休みが欲しい。



うん、頑張ったから休んでも文句は言われないだろう。



それから正式に許可をもらい、お忍び決定。



明日は休みだという日、アリスの部屋へやってきた。



「お休みですか⁉︎」

「あぁ、外へ行く。お前も行くか?」

「えっ⁉︎いいのですか⁉︎行きたいです‼︎」



一緒に行くことにした。