練習の時のように踊った。

あたし、出来てる!

間違えそうになると響がリードしてくれる。

響と目が合えば、好きって気持ちが溢れそうになる。

あたしたちは微笑み合って、息を合わせた。

曲が終わると、響の周りに人だかりが出来た。

「とても綺麗な方ね」

「どちらの家の方ですか?」

響のパートナーのあたしに注目した人が多いようだった。

「申し訳ございませんが、この子のことはお話しできません」

「それはなぜですか?」

「素性を明かさないことを約束しているからです」

「そうなんですね」

響はあたしのことを守ってくれた。

「お名前だけでもお聞かせ下さい」

「………華といいます」

「華様は藤堂様とお似合いですね」

あたしたちは顔を見合せた。

なんか恥ずかしいね。