「…してあげたら?」

不意に隣から声がした。

「デートしたら?

いいよ?私のことは気にしないで。

なんか私じゃまみたいだし上に行くね」

「ちょっ!待てよ!明莉っ!」

俺の制止を振り切り、明莉は階段をかけあがる。

たぶん…怒らせた。

俺が明莉に初めて近づいたきっかけ。

いくら仕事だってなんだって明莉だから俺は…。

ガシガシ頭をかきながら目の前の浜谷を睨み付けた。