私の体調を心配した蓮司は

「俺もなるべく定時で上がるから今日は一緒に行こう」

そう言って私たちは蓮司の車で出勤した。

「大丈夫だよ?」

と笑顔を作ったけれど

「ダーメっ!
明莉は嘘はつけないよな。
大丈夫…じゃないだろ?
…無理するなよ。

具合悪かったら早退しろよ?」

こんなに愛されていて、大事にされているのに、胃がキリキリむかむかして食べ物を受け付けない。

「終わったら連絡するよ」

「うん。じゃあ…」

階段下で別れようとしていると

「おはようございます」

と背後から声がかかった。