激しく嘔吐して苦しさから滲む涙に優しく温かな手が背中をさする。

「大丈夫か?

そうとう疲れたんだな。
ごめんな…。片瀬さんもいるし気ぃつかってるよな。

無理させてごめん」

しばらくして嘔吐はおさまったが、胸の奥のもやもやしたものはすっきりすることはなかった。

心配して優しく抱き締めてくれる蓮司の温かな腕の中で何も考えないようにして私は眠りについた。