菜摘ののろけ話を聞いていた時、私の携帯がテーブルの上で震えた。

「ごめん、菜摘ちょっといい？｣

菜摘に断り携帯確認すると、待っていた蓮司からの連絡で、私はすぐに十分程で着くと返信して菜摘をおいて先にお店をでた。

蓮司の飲んでいたお店が見えてくると、店の前には蓮司と片瀬さんの姿があり、片瀬さんのことを家まで送って行くのだと理解した。

助手席の窓を開けて

「こんばんは、片瀬さん。
一緒に帰るんですよね？
どうぞ乗って下さい｣

笑顔を向けて挨拶を交わしていた時に不意に私の真後ろの後部座席のドアが開けられた。