「どうして片想いなの?」

口を尖らせ頭をかしげると

「だって明莉の一番は俺じゃなくて愛音だろ?

最近全然俺の相手してくれないし。

俺、最近寂しく一人で寝てるんだけどなぁ、そろそろ愛音の弟か妹作りたいし…大好きな可愛い奥さんたっぷり愛したいんだけど…。

そろそろ明莉不足で電池切れしそう、俺」

信号待ちで伸ばされた手が私の後頭部を押さえて近づいた顔がそっと唇を重ねた。

「電池切れそうって一日おきに私にベタベタしてるくせに…」

「今日のよそいきの明莉が可愛いすぎて、いますぐ押し倒したいな。

愛音早く寝かせて今日は俺が熟睡できるようにたっぷり運動させてくれよ?」

「もうっ!

早く愛音が寝るように家に帰ったらたくさん遊んであげてね、、パパ」

「もちろんっ!」

今夜も私たちは、恋い焦がれて愛しくてたまらない大好きな人の名前をお互いに口にしながら甘く激しく愛を語る。

リビングに飾られた私たちの結婚式の写真。

口元と目元を青くしてうつるタキシード姿の蓮司は、今も変わらず私をたくさんの愛で包み込む。

あのとき二人で流したたくさんの涙は、いろんな想いをきれいに洗い流して、今はたくさんの愛の言葉と笑顔で私たちは満ち溢れている。


「愛してるよ、明莉」

「うん蓮司、私も大好き…」



    ー 完 ー