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あの挙式から五年後、私と蓮司と三歳になる娘の愛音(あのん)は朝陽さんの結婚式に参列した。

朝陽さんはお店の常連客に猛烈にアタックされて、五つ年上のとんでもなくイケメンな俺様で少しだけ雰囲気が蓮司に似ている素敵な男性と結婚した。

「朝陽さん、幸せそうで良かったね」

帰りの車の中で、ウトウトし始めた愛音の頭を撫でて寝かしつけながら蓮司にふとずっと気になっていたことを聞いてみる。

「ねぇ蓮司、朝陽さんと蓮司はお互いに好きにならないって条件で友達になってずっと隣にいたんでしょ?

蓮司は、一瞬でも朝陽さんに心が動いたこと…なかったの?」

「…どうだったかな…。

もうそんな昔のこと忘れたよ。

だって俺はさ可愛い奥さんに一目惚れして、今も夢中で、永遠に俺の片想いだからね」

とくすりと笑った。